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上田久美子「リーディングワークショップ」
みなと芸術センター整備に向けたプレ事業
2024-2025
私たちは日常的に、様々な物語を生きています。でも、文字に書かれたものがたりを声に出して読む、ということはほとんどありません。今回のワークショップでは、上田久美子が現在執筆中の戯曲「泣き女たち」や、はるか昔に書かれた古典戯曲などを皆で声に出して読みながら、その物語の背後にある社会や家族の問題について議論をします。
フランスで出会ったある亡命者の俳優が、イラクの砂漠の街に残してきた厳格なムスリムの母親の話を私にしました。私の観点では女性にとって過酷すぎる環境の中で、その人の記憶の中の母親は、私の思う虐げられる女性とはかなり違った形で存在しているようでした。私は、その母親を、私の記憶の中の日本の母親たちに会わせたいという衝動を感じました。私は彼女たちの存在について、西洋的なフェミニズムの文脈から離れて観察してみたいと思って戯曲を書きましたが、まだ未完成です。私はそれを市民の人々と読んでみることで、私たちが生きる物語や過去の女性たちが生きた物語を、客観的に観察してみたいと思っています。
このワークショップは、2027年に浜松町駅に開館予定の「港区立みなと芸術センター」整備に向けたプレ事業として開催されます。家族や社会のケアを担ってきた女性たちの視点に注目し、港区という都市空間の特性を踏まえた上演の可能性をともに探っていきます。
※ワークショップ参加者の一般公募は終了いたしました
※会場など詳細情報は下記websiteから
芸術公社Website
https://artscommons.asia/news/959/